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21 マメシジミはどこにでもいる
30年くらい前のことになるが、「にいがた貝友会」という同好会のSさんから「焼峰山の水たまりでマメシジミを発見した」と聞いた。そこで、自分も池の底をすくう小さな網を持ち、八海山に登ってマメシジミを探すことにした。しかし、屏風道コースから八海山、阿寺山を一周して、登山道脇にある池を探したものの、マメシジミは確認できなかった。
その一カ月後、再び八海山を訪れた。高倉沢を遡り、八峰を越えて、風穴尾根を下るルートで、途中にある漕池でマメシジミを探すためである。それにしても、マメシジミを探す網をザックに入れて沢登りをする登山者がこれまでいただろうか。『山釣りの旅』(つり人社)の著者である鈴木竿山さんは、釣りも山も好きで、釣竿を背負って岩を登り、山を下って釣りをする人だった。同じようにどっちも興味があるのだから、しょうがない。
無事に高倉沢を遡行し、八峰を越えて、漕池に着いた。そして、ザックから網を取り出し、池の底をすくってみた。すると網の中にすごい数のマメシジミが入っていたのである。
その後、下越地方では二王子岳の鴨池など登山道の近くにある3つの水たまりでマメシジミを確認している。また村上・岩船地域では、新保岳の浜新保ルートの天池や、太平山近くの三吉様池、猿田川から泥又川に至るゼンマイ道にある小さな水たまりでも発見している。
夏でも水が枯れなくて、枯れ葉が沈んでいるような水たまりには、ほとんどマメシジミが生息している。マメシジミが少ないのではなく、マメシジミを探す人が少ないのだ。
※写真は三吉様池で発見したマメシジミ
