帯の表
自分自身は山で二度死にそうになったし、実際父は山で死んだ。普通なら登山をやめなければならない状況だった。
しかし自分には、登山をやめることは、それまでの自分の人生を捨てることを意味していた。
少し平凡でなかった登山を通した半生記
帯の裏
高校時代に生物部に入って部活動で山を登るようになり、しだいに心のなかで山の存在が大きくなっていく。山好きが高じて大学で林学を学び、卒業して森林・林業に関する仕事に携わりながら、独りで、あるいは友と一緒に趣味の登山をつづける。やがて道のある山よりも、地図を読みながら藪をこいで山頂に立つことに楽しさを見い出す。