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20 数少ない次三角点
たまに山頂で頭が丸い三角点を見ることがある。明治時代に山林局が設置した三角点で、現在では四角い国土地理院の三角点に置き換えられていることが多い。
その置き換え方法は二通りで、山頂に並んで埋設されている場合と、山林局の三角点を掘り起こし、その場所に国土地理院の三角点を埋設している場合がある。前者では関川村の黒手ノ峰(827.8m)、後者では阿賀町の鍋倉山(1137.4m)などで雪の無い時期に確認している。山林局の三角点が掘り起こされた場合は、新しい三角点からそれほど遠くない場所に横倒しになっていることが多い。
国土地理院の三角点は一等から数が多くなるほど、三角点の設置数は多くなるが、山林局の三角点は主三角点よりも次三角点の方が少ないらしい。実際に見たことがあるのは主三角点ばかりで、次三角点は村上市のシゲミ山(589m)だけしかない。
ある山の集まりで、「関川村の蛇崩山(530.5m)の次三角点は、掘り起こされて横倒しになっている」という話題になった。そこで、「それなら、蛇崩山に登った時に担ぎ下ろしてやる」と酔った勢いで言ったのだが、それからしばらくして、横倒しになっていた蛇崩山の次三角点は山頂から消えたらしい。
そのため、山仲間の間では蛇崩山の次三角点は我が家の庭に埋めてあるということになっている。しかし、私は蛇崩山に登ったことがないので、山頂の次三角点を担ぎ下ろしたのは私ではないし、そのことを証明するために未だに蛇崩山に登ることができないでいる。
※ 写真はシゲミ山の次三角点
