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2 低標高地のブナ林

 新潟県内で最も低い場所に生育するブナは、上越市名立区の江野神社にある。2019年のゴールデンウイークに家族で上越市方面にキャンプに行った時に、そのブナを確認することにした。

 ブナが生えている場所は数年前に治山工事が行われていて、法枠工の中に1本だけ生えていた。直径は40センチメートルくらいで、他にブナは見当たらない。

 しかし、新潟県で一番低い標高のブナ林となると、村上市の臥牛山(134.9m)ではないだろうか。登山口の標高は約20メートルで、臥牛山の西斜面は山頂までブナが優占する落葉広葉樹林になっている。

 数年前まで臥牛山のブナ林は、城があったために保護されてきたと思っていた。しかし、「中世の頃は城を攻めてきた敵が陰に隠れられないように大きな樹木は伐り払われていた」と歴史に詳しい人から教えていただいた。確かに、瀬波郡絵図(1597)には、山裾に広葉樹、山頂付近にマツらしき樹木が描かれているが、山腹斜面には何もない。

 その後、江戸時代になり徐々に世の中が安定してくると臥牛山の山腹斜面は伐られることが少なくなり、ブナ林が復活してきたのだろう。そう考えると、現在のブナが200年生くらい大きさであるのが納得できる。

 臥牛山は村上市民に「お城山」と呼ばれ親しまれており、毎日多くの人が登っている。また最近では、続日本百名城に選定されたことから、城目当てで訪れる人が目立つようになってきた。

 臥牛山は山頂から村上市街を一望できる村上市のランドマークであり、城跡とあわせて低標高地のブナ林が生育する貴重な存在となっている。

 ブナは開葉が早い