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14 神社に生えるブナの謎
旧神林村のいくつかの神社にブナが生えていることを30年くらい前から知っていた。そのうち殿岡集落の神社にはこれまで何回か訪れ、ブナを確認している。そして最近見つけた資料で、殿岡集落の他に指合と里本庄のふたつの集落の神社だということがわかったので、4月上旬にその3つの神社を訪ねてみた。
まず、指合集落に行き神社の鳥居の前に車を止める。ブナはスギ林に囲まれて生えていた。標高40m、胸高直径102p。自家受粉と思われる3年生のブナ稚樹がスギの林床に数本生えていた。
次は殿岡集落に向かう。公民館の駐車場に車を止め、神社の階段を登る。公民館の標高は15mだが、神社は指合集落と同じ40m。胸高直径は120p。神社の周りに直径10〜20pのブナが数本生えている。
それから里本庄集落に車を走らせる。標高25m、胸高直径86p。資料には、同じくらいのブナが3本あると書かれていたが、1本しかないのは枯れたので伐採されたのだろうか。しかし、神社の周りには樹高数mのブナがたくさん生えている。
どこまで生えているのかとチマキザサの藪をこぐと、尾根の反対側は刈払われてコナラが植栽されていた。しかし、尾根沿いには直径10pくらいのブナが続いている。
1年前に国道7号の内陸側で発見したブナの標高は20mだった。見つけた資料には「神社のブナは植栽か自生か不明である」と書かれていたが、村上・岩船郡では標高20mからブナが生えていたことを確信する光景だった。おそらく神社を建立した時に元々生えていた大きなブナを御神木として残したのではないだろうか。
*写真は指合集落神社のブナ