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51 自然観察会の常連

 1983年9月に日本自然保護協会の自然観察指導員の研修を秋田県で受けた。確か前年に新潟県で研修が行われたのを後日知り、秋田駒〜岩手山〜八幡平の山行を終えた後で、秋田県で行われた研修会に参加したと思う。ただ資格を取ったものの、その後観察会らしいことに参加したことはほとんどなかった。

 先日、高坪山で自然観察会があった。主催者が高坪山でどのような観察会を行っているか知りたかったので参加したのだが、主催者は私のことを知っていたのでメインの講師にされてしまった。

 私は最初に「今日は『二次林』という言葉だけを覚えてください」と話した。高坪山山頂に至るブナ林は美しいため、「ブナ原生林」と表記されていることがある。しかし、高坪山山頂付近のブナ林は過去に伐採されて再生したブナ二次林である。森林の知識があれば、ブナの太さや株立ちの様子から、過去に伐採されたブナ林であることがすぐにわかる。

 自然観察指導員の研修を受けた頃に、「自然観察会の常連」という言葉があった。「毎回観察会に参加するものの、観察会以外で自然を観察しようとしない人たち」を揶揄する言葉である。

 今回の高坪山自然観察会に参加して感じたことは、観察会を主催する側もどのように観察会を行えばよいのか、常に考えなければいけないということだ。ただ生物の名前を教えているだけでは、参加者には左の耳から右の耳に通り抜けてしまうだけである。

 観察会が終わってから、主催者から「次の観察会にも来てください」と言われた。しかし下見に参加して主催者に観察のヒントを教えるだけにして、観察会には参加しないでおこうと思う。