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50 わからないことがわかっているということ

 去年の今頃のことである。ある男性がミヤマガマズミの花をガマズミと表記していた。コメントで間違いを指摘すれば誰でも見られるので、その男性のプライドを傷つけてしまうことになるかもしれないから、メッセージで間違いを伝えた。

 しかしその男性は、私のメッセージに「いいね」をしたものの、ミヤマガマズミに直してくれなかった。ガマズミとミヤマガマズミは変種や亜種のような関係ではなく、別種である。だから、ミヤマガマズミをガマズミと表記するのは明らかに間違いだ。

 秋にその男性は、アブラチャンの花芽をマルバマンサクと表記し、「春になるのが楽しみだ」と書いていた。また間違いをメッセージで伝えようと思ったが、春に私のメッセージを無視されたので「いいね」もしなかったし、間違いを指摘するメッセージも送らなかった。間違いに気づいている人はいるはずだが、誰も指摘しないようなのでその投稿はずっとそのままである。

 その男性は有名な人だから、間違いを書いていてもそれを見て本当だと思ってしまう人がいると思うし、有名な人だからこそ間違いを指摘できる勇気ある人は少ないはずだ。だから自分がよく知らないことは書かない方が良いと思う。

 現役時代に職場の先輩に、「わからないことがわかっているって大事なことだよ」と言われたことがある。新潟県には約500種の木本植物が分布する。数えたことはないが、私はたぶんその半分くらいしかわからないと自分でわかっている。私はこの言葉を今でも常に肝に銘じて山に登り森林と樹木にふれあっている。


写真はヤマグルマ。現在、花が咲く前のヤマグルマをシャクナゲと表記している人がいるので注意してほしい。