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44 鰈山は季節限定の山なのだろうか?

 鰈山に初めて登ったのは1996年6月のことである。鰈山に一番近い車道から藪をかき分けながら山頂に達した。同じコースを歩いた記録が最近いくつかネットにアップされているが、何人かが鰈山を「季節限定の山」と書いている。山に季節限定などあるのだろうか。その季節が一番登りやすいというだけで、その季節しか登れないというわけではないはずだ。

 かなり前から、蒲萄集落から鰈山に登ってみたいと思っていた。蒲萄集落から丸山に登り尾根沿いに歩けば、特に迷うことなく鰈山に達する。しかし、「丸山に登ると3年以内に死ぬ」という言い伝えがある。丸山には2013年3月に登っているが、私の山仲間には私が3年以上生きていることを確認してから、丸山に登っている人がいるくらいだ。

 しかし、もう一度丸山に登れば、3年以内に死んでもおかしくない年齢になってきた。できれば丸山に登るのは避けたい。そこで地形が複雑な池ノ平から3月下旬に歩くことにした。

 池ノ平から標高600mを越えると、樹木よりも高い山が見えなくなった。地形図を見ても、自分がどこにいるのかわからない。尾根を歩くのはあきらめ、沢に沿って進み、その沢が高根集落側に下りていそうな場所から左の尾根に取り付いた。

 ようやく鰈山らしい山が見えたので、地形図を出すと676m峰手前の670m峰だった。もう正午近いので、その日はこの峰で引き返すことにした。

 下山は足跡を忠実に辿ったが、急な斜面を避け、少しだけ緩い尾根を下って遠回りした。すると、目の前に突然ブナの巨木が現れた。(次回に続く)